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家庭用3Dプリンターの問題点②出力時の製品の反り。解決編!!


前回は2、出力時の製品の反り。其の一 にて、そもそも反りがなぜ起こるのか? をのご説明をいたしました。

という訳で、解決方法はこんな感じ。

反り対策は大きく分けて2つ、合計6種類!!

  1. 温度管理する
    1. プラットフォームの温度管理
    2. ヘッドの温度管理
    3. ファンを止める
    4. ボックスで覆う
  2. プラットフォームにガッチリ付ける!!
    1. ノリやシートでくっ付ける。
    2. 底辺の角を意識したデータを作る。

温度を管理する方法あれこれ。

先ずはプラットフォーム(ベッド)の温度を管理する方法です。

PLAフィラメントを使用した3Dプリンターなら大きな問題にはならないのですか、ABSフィラメントを出力するときは、プラットフォーム(ベッド)温度は重要です。

温度が低いと射出したABS素材がプラットフォームにくっ付いてくれない問題が発生します。

ABSフィラメントを使用する場合プラットフォームの温度は80℃~100℃の範囲で調整する事になっています。

(゚ロ゚;)

80℃~100℃って20度も開きがあるじゃん!!

そうなんです・・・。

この温度の開きが曲者です。

「ンじゃ、温度が高い方がいいんじゃね? 100℃でいいんじゃね?」

という意見も有りますが、私はお勧めしません。

理由は2つ。

  1. 3Dプリンター本体の温度が上がり過ぎで様々不具合を引き起こす。
  2. 冷却個所と加熱個所の温度差があると、出力後のオブジェクトの変形が促進るす。

という理由です。

3Dプリンター本体の温度が上がり過ぎると、IC基盤も加熱され熱暴走の原因になります。

また、基盤の寿命を短くし、3Dプリンターの故障の原因や本体寿命を縮めます。

なので、プラットフォームの温度が調整できる3Dプリンターでは、できるだけ適切な温度を設定してください。

二番目の理由の温度差の前章を読んでいただければご理解いただけると思います。

数センチ以上の高さを持つオブジェクトの場合、プラットフォームは100℃に加熱され、出力中の最上面は240℃前後です。

また、中ほどはファンによって冷却され室温~60℃前後になっています。

つまり、オブジェクトの下方では40℃の温度差、上方では180℃の温度差が発生します。

収縮変形の原因は温度差なので、この温度差は非常に不味いのです。

( ノД`)

なのでプラットフォームの温度は、射出されたフィラメントがしっかりとくっ付く温度でいながら、できるだけ低い温度でなければなりません。

この辺りは・・・。

使用するフィラメントと3Dプリンターの個体差が激しいので・・・。

5回~10回、1cm立方のキューブを出して、テストしながら最適な温度を導き出します。

PS.
メーカー純正品のフィラメントはその辺りを良く考えられています。
少々高いフィラメントでも、テストにかかる手間と時間を節約するという考えがあるのだったら、コストパフォーマンスに優れていると言えます。

 

ヘッドの温度管理でなんとかする。

プラットフォームの温度管理でも適正温度という考え方があるように、ヘッドの温度も適正温度というものがあります。

温度!! 温度!! 温度!! 温度!! 温度!! 温度!!!!!!!

また温度かぁぁぁぁぁぁぁ!!

まぁ、なんというか・・・。

ご家庭用の3Dプリンターは熱熔解積層方式が主流なので、温度管理は重要だよねぇ・・・。

( ノД`)

さて、この温度。

使うフィラメントによって大体決まっています。

フィラメントはメーカーの推奨温度というものがあります。

「んじゃ、その温度にビチッと合わせればイイじゃん!!」

というご意見も有りますが、それが以下の理由で簡単にはいかないんですよわ。

  1. 3Dプリンターのドライバーで温度を設定しても、その温度になっているかがわからない。
  2. 印刷速度によって温度の設定誤差が広がり温度が安定しない。

最初の設定温度ですが・・・。

実は、3Dプリンターのヘッドの温度は「これぐらいじゃね?」という感じで計っています。

これが温度計なのですが・・・。

こいつの精度があまり良くない・・・。

先っちよガラスに包までパーツは温度によって抵抗値が変わるので、その抵抗値の変化を元にプログラムが温度を計っています。

なので、実際のヒートブロックの温度とセンサーが認識している温度には±数℃の温度差があります。

そして、この数℃の誤差は、ご家庭用3Dプリンターでは、同じ機種でも、同じロットでも、各筐体によって違います。

Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン

つまり、同じ日、同じ場所、同じ機種、同じロットの3Dプリンターを買ったA君とB君の同じ3Dプリンターは、同じ設定で使っても、同じ出力結果が出るとは限らない・・・。

(´;ω;`)

うまくいく場合が多いのですが、絶対とは限らない・・・。

この辺りが、ご家庭用3Dプリンターの限界なのでしょう。

なので、各筐体の固有の設定値を出すためにテスト印刷が必要なのです。

次に印刷速度の問題です。

印刷速度が早ければ一秒間辺りの出力量が多くなります。

また、速度が遅くなれば射出されるフィラメントの量は少なくなります。

「当たり前のことじゃね?」

(・・?

そうなんです。

この当たり前の事がなかにか対処できません。

ヒーターでフィラメントを温めて溶かして押し出す。

熱熔解積層方式の基本構造ですね。

もう少し詳しく見ると、熱を与えてドロドロになったフィラメントを溶かして溜め込む場所をヒートチャンバーと言います。

そのヒートチャンバーには印刷速度に合わせて、溶ける前のフィラメントがエクストルーダーにより続々と押し込まれてきます。

そして、押し込まれてきたフィラメントを溶かすためにヒーターがせっせと温めます。

温めすぎたらマテリアルが焦げるので温度を下げます。

沢山フィラメントが送り込まれてきたらせっせと温めます。

沢山押し込まれたときに溶かす温度まで温める事が間に合わなかったときに目詰まりが起こります。

なので、温度変化というか一定の熱量を維持するためヒートブロックが取り付けられています。

こんなパーツ。

この小さなパーツにノズル、ヒートチャンバー、温度計、ヒーターの四つの部品が入る穴が開いていますね。

このヒートブロックの熱伝導率が高く大きかったら問題は少なくなるのですが、ヘッドが重たいと別の問題が生じるので限界サイズというもが存在します。

長くなりましたが、問題の解決方法は二つ・・・。

  1. 印刷速度を下げる。
  2. 本体、ラフト、サポート材の印刷速度の変化を20%以内に留めることです。

印刷速度でこの問題をクリアします。

出力までにかかる時間が多くなりますが、確実です。

また、3Dプリンターの制御ソフトにより本体、ラフト、サポート材の出力速度を変更できる設定が有りますが、この速度の変更は20%以内に留めることをお勧めします。

ヒートブロックのサイズやヒーターの性能によって多少のバラツキはありますが、私の経験則上20%以内が妥当な数字だと思います。

この数字も各3Dプリンターの筐体により様々ですので、何度もテストして追い込めば良い数字が出てくると思います。

ファンを止める方法!!

筐体によっては結構危険な方法かもしれないので自己責任でお願いします。

(ノ´▽`)ノ

ノズルから押し出されたマテリアルはABS素材ならば240℃のアツアツ状態です。

このアツアツ状態を冷ますためにファンが空気を送り温度を下げて固めます。

このファンを止める!!

つまり熱いものが室温になるまでゆっくりと冷ますということです!!

急激な冷却は、急激な収縮を起します。

この収縮が「反り」の原因ならば、やっくり冷やせばいいんじゃね?

という考え方です。

3Dプリンターのドライバーで制御できるものもあります。

また、機種により調整できるものもあります。

afinia シリーズの場合は下の図のレバーを回転させると風を送る口に蓋をする形で、プラットフォームに風が送られないようになっています。

また、この機構が無い3Dプリンターでもファンの吸気を50%に抑えるように蓋をしたり、ダクトパーツを作って吸気の量を調整することにより、急激な冷却を制御する事が出来ます。

ここで必要なことは急激な冷却を制御することです。

ヘッドについているファンはヒートチャンバーの異常加熱を防ぐためについている場合が多いので、ファンを完全に停止して今うと、別の不都合が発生する場合があります。

私の自作ヘッド周りのファンは3つ付いています。

1つはヒートチャンバーの冷却用。

残りの二つは出力オブジェクトの冷却用です。

ヘッドを少しでも軽くするためにファンを小型化し、はめ込みロックパーツを設計してネジ等の金属部品を極力排除しています。

また、電源もパルス制御でファンの速度を調整できる仕様にしました。

ボックスで覆う方法。

2015年にmakerbot社の特許が切れたのでこの方式を取っている3Dプリンターはどんどん出てきます。

これからは本体がボックスで覆われている3Dプリンターが主流になってくるでしょう。

afiniaも新製品のH400という機種はボックス付きです。

ゆるぎない性能と使いやすさで9万円台の価格!!

これほじぃ・・・。

こんな感じで筐体本体をボックスで覆う形は、急激な温度変化による「変形=反り」を最小限に抑えることができます。

ボックスって偉大だ!!

中華の組み立てキットもそろそろボックスで覆う奴が出てくるころだろうなあ・・・。

(ノ´▽`)ノ

長くなったので続きは次回!!

m(__)m